フィールド・プロジェクトの紹介
カンパール半島の伝統的生業を維持・発展させるためのエスニック集団のネットワーク形成
―大規模森林開発による環境影響を低減させるための地域組織化とキャパシティ・ビルディング―
活動場所:インドネシア共和国リアウ州
<プロジェクトの概要>
JATANはこれまでリアウ州の森林を対象に、地元の紙パルプ産業や合板製造業に供給される熱帯林材伐採による環境及び地域社会への影響を調査する活動を続けてきました。2009年度からは、リアウ州での大規模森林開発による地域住民への影響を低減させることを目的に、地域コミュニティの組織化とエンパワーメントに向けた活動に取り組んでいます。これは、現地NGOであるPASA(Perkumpulan Alam Sumatera)との共同プロジェクトで、トヨタ財団アジア隣人プログラムの助成(2009/2010年度)を受けて実施しています。
現地では、地域住民が慣習的に利用していた土地を企業が森林開発の対象地とするため、企業と住民たちとの間で土地を巡る軋轢が生じています。また、法的に土地の所有権を持たない地域住民たちに対して、話し合いの場を持たずに一方的に土地を収奪する事例が多発しています。そのため、住民たちはこれまで営んできた生活様式を変えざるを得ない状況に追い込まれています。このような現状に対し、地域住民が主体となって森林を持続的に管理することで、法的な土地利用権が与えられる「村落林」への登録が進められるよう支援しています。村落林に登録し、住民に対して法的な土地所有権が与えられることにより、企業の開発による影響を受けにくくなるという利点があります。