やはり伐採されていたタスマニアの原生林―タ・アン社製フローリング材(現地メディア報道から)
1) ガンズ社の二の舞はご免―NGOのキャンペーンに戦々恐々のタ・アン・タスマニア (2月4日付「ジ・オーストラリアン」紙のニュースから要約)
タ・アン・タスマニアは、先月末からはじまった現地NGO3団体によるサイバーアクションのキャンペーンに対して、2010年に天然林伐採から撤退の決断を余儀なくされたタスマニアの木材チップ企業、ガンズ社の命運と重ね合わせ、その影響を懸念している。
マーケット・フォー・チェンジおよび他2団体は今週、マレーシアの木材企業、タ・アンの最大顧客である日本の4会社に合板製品ボイコットを呼びかけるサイバーアクションをスタートさせた。3団体はタスマニアの保護価値の高い森林を破壊している主要要因としてタ・アン社を批判している。また、ギラード豪首相が暫定的保護を公約した1950ヘクタールの伐採許可を働きかけたことでも同社を非難している。
ヒューオン地区にあるタ・アン・タスマニア単板加工工場の操業部長であるポール・ウーリィ氏は、サイバーアクションのキャンペーンがもたらす影響について、マーケット・フォー・チェンジが標的にしているパナソニック、ダイワハウス、積水ハウス、永大産業のうちの一社でも購入依頼をキャンセルしたら他社も追随してくるだろうと心配している。
タ・アンによれば、オールドグロス林の丸太は大きすぎて、フローリング用の単板加工機械の仕様に向いていないため使っていない。州の林業公社から木材の供給を受けているが、比較的若い再生林の小径木を採取する過程で、林業公社は一部にオールドグロス林を有している森林区画(forest coupes that also have some old-growth trees)も伐採しているかもしれないと述べている。
マーケット・フォー・チェンジのコンサルタント、前タスマニア州緑の党代表のペグ・パット氏は、傍観者を決め込んでいるタ・アンの姿勢について、「かれらは、連邦政府と州政府が一時的な保護を公約した43万ヘクタールの森から木材が由来していることを承知している」と述べた。
しかしタ・アンはガンズのように天然林撤退の選択肢を持っていないようだ。ウーリィ氏曰く、「利用可能な植林の大半は木材チップ用に育成されたもので、単板生産に必要な特性には欠ける」からだ。
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Campaign targeting Tasmanian veneer mill has workers fearing future
2) タスマニアの原生林はやはり伐採されていた (2月6日付豪ABCニュースから要約)
地元の環境保護グループ、ヒューオン渓谷環境センター(HVEC)によれば、かれらが入手した、樹齢250年を超えるセロリトップパイン(タスマニア固有の雨林樹種)のサンプルは、ピクトン渓谷(Picton Valley)のタ・アンのために伐採された区画から採られたと述べている。
同グループのスポークスパースンであるジェニー・ウェバー氏は、ピクトン渓谷一帯が保護されなければならないオールドグロス林であると指摘した上で、「HVECが用いた技法というのは、以前にスティック渓谷(Styx Valley)でタスマニア大学が行ったのと同じ方法に基づいています。年輪をカウントするとこの樹は250年を超えていたのです。しかも、ここは(1997年にタスマニア州政府と連邦政府が交わした)地域森林協定の締結プロセスの中でオールドグロス林と同定された区画でした」と述べている。
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Green groups claim evidence of old growth logging